足踏み脱穀

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ponkichi

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 先日、地域の農家の手伝いというか見学に出かけた。ちょうど、収穫した稲穂の足踏み脱穀をやっているところだった。面白がって見ていると、「やってみますか」と言ってくれた。

 足踏み脱穀機は、▽金属の箱のような形状でその中に太い回転軸がある▽足元の金属板を踏んで軸を回転させる▽軸の周囲には小さな突起がたくさんあって▽回転させながら稲穂を差し入れれば、穂先が突起に当たって次々に脱穀できるーーというシンプルな仕組みである。

 ペダルをリズミカルに踏むと、調子よく脱穀できて、けっこう楽しい。人力なので、大きな田んぼで多量に収穫する農家にとってはさすがに作業効率が悪そうだが、小さな田んぼで稲作をする人にとっては、小さくて使いやすい機械だと思った。

 ところで、国の2025年農林業センサスの結果が公表されている。→https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/noucen/040909/index.html

 いくつかデータを抜き出すと――

・個人経営の農家の基幹的農業従事者(自営農業を主な仕事とする人)は102万1千人で、5年前に比べ34万2千人(25.1%)減少。平均年齢は67.6歳に

・農業経営体のうち、個人は78万9000で、5年前に比べ24万8000(23.9%)減少した。一方、団体の経営体は3万9000となり、1000(2.9%)増加した

・団体の経営体のうち法人は3万3000で、5年前に比べ2000(7.9%)増加した

 農業を主な仕事とする人の高齢化と減少が止まらない。一方、会社組織などをつくって法人として農業をする動きが、じわじわと進んでいるようだ。

 鈴木憲和農相は12月2日の記者会見で、農家の減少を踏まえ、各地域での新規就農の支援に加えて地域外の担い手や食品産業など法人の参入も進めたい、という考えを示した(日本農業新聞12月3日)。

 国は、農地の集約化と経営の大規模化、法人化を進めることで、農業生産を維持しようと考えている。労働力の不足と、働く世代の大都市圏への移住・集中が止まらないなか、国の農業政策は果たしてうまくいくか。心許ない。

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